VFD(Vacuum Fluorescent Display/蛍光表示管)の構造や点灯方法については双葉電子工業の(上海サイトにある)解説書に詳しく書かれています。
AN-1103A 「蛍光表示管(VFD) その特性と使い方」(PDF)
電源は自作することもできます。「基本通りのステップアップコンバーター」
様々なVFDの中から、安価ですぐに入手できるFIP9B8(NEC製)を使用しました。 共立エレショップの通販ページ
単純に1桁の全セグメントを点灯させる回路で明るさを見つつ、グリッドとフィラメントの適切な電圧を探ります。
電源は高電圧用(MT3608モジュール・抵抗改造済み)と低電圧用(自作・電圧可変)を別々に用意しています。
VFDのセグメントの端子は1つに結線。グリッドの端子はそれぞれ引き出します。
ここを高電圧で触れると、そのグリッド(桁)が点灯します。
フィラメントには直流を流すこととします。
このとき回路図で示した向きに電圧をかけると両端のグリッドの明るさの差が小さくなり、
逆向きに電圧をかけると明るさの差が大きくなるように感じました(気のせいかもしれません)。
初めてのVFD点灯。FIP9B8 (NEC製)。https://t.co/8PKk1hqCeW 実験したところ電圧範囲は、グリッド:9~24V、フィラメント(DC):2.0~3.0V、程度。写真は読める程度の最低値狙いで 9V;2.0V。 pic.twitter.com/PHniStBNe0
— 『昼夜逆転』工作室 (@jsdiy) April 29, 2021
▲枠内下部の吹き出しマークから「初めてのVFD点灯」に関する一連のツイートを見ることができます。
1桁ずつ別の字形が表示できるように点灯制御します。それにはVFDドライバーを用い、ダイナミックドライブで点灯させます。
VFDドライバーは「ラッチ付きシフトレジスター+トランジスタアレイ」のようなICで、出力が20bit,32bit,40bitなどの品種があります。
また、BLANKING端子があるのでダイナミックドライブには都合がよいです。
※シフトレジスターの内容に関係なく1パルスで全bitにLoを出力=VFDが全桁消灯できる。
この回路でVFDのフィラメントに流れる電流は1mAもないので、マイコンのPWM出力をフィラメントの電源としてみました(回路図の破線部分)。
「点灯制御あり」の回路からATtiny85のPB0をボタン入力に変更し、またフィラメントの電源を2.5Vの三端子レギュレータで供給するようにしています。
弾を撃って数字の形を作ります。だんだん近付いてくる敵にどんどん弾を撃って倒します。 自陣まで攻め込まれたらゲームオーバーです。左のカウンターは倒した敵の数です。
20bitのVFDドライバーは、HV5812(SOP), MAX6921(SOP), UCN5812(DIP)が入手しやすいです。AliExpressやeBayなら安価で入手できます。
どれもピン互換ですが電圧範囲などいくらか違いがあります。
なお、この記事の回路図ではHV5812としていますが、実際はUCN5812を使用しています。
※ブレッドボードではDIPが使いやすいので。後で基板に移すときSOPを使おうと思っていたが、結局そこまでやらず。
青緑色の輝き。昭和の電子ゲーム機やオーディオ製品の表示部にはVFDがよく使われていました。
パックモンスター(学研)とミニコンポのグライコ(ONKYO)は忘れられません。
令和になって自分でVFDを使いこなせるようになって、感慨ひとしおです。