7セグ6桁時計 〜ニキシー管ならぬ7セグ管〜
2011年7月 近頃、にわかにニキシー管時計の人気が上昇しているようです。現在、ニキシー管は非常に入手しにくいデバイスなので、時計の回路が設計できても作るのは難しいと思います。そこで7セグ時計を見直してみましょう。工夫すればニキシー管時計っぽくなります!? 2011/10 追記 ファームウェアと制御アプリを公開しました。このページの最後にあります。 |
製作物紹介(静止画) | ||||||||||||||
7セグ6桁時計を写真と説明文で紹介。※以下はツイッターに書いたことのほぼコピペです。
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回路図と配線図 | ||
回路図
抵抗を入れると放電時に邪魔になるので(文字通り抵抗になるので)、ダイオードでショートカットします(回路図のD2)。電圧降下が低いほどよいのでショットキバリアダイオード(以下SBD)にします。 EDLCが充電された状態で、それより低い電圧の電源機器をつないでしまった場合、放電電流が電源機器に逆流することが考えられます。防止策としてそちらの経路にもSBDを入れておきます(回路図のD1)。 D1は必要か?という疑問があるかもしれません。通常の運用だと電源が5V、SBDを通して4.7VでEDLCが充電されます。回路も4.7Vで動作します。電源を抜くと同時にEDLCは放電し、SBDを通り、4.4Vで回路が動作します(徐々に低下します)。ここで、元の電源に戻そうとして、うっかり3.3VのACアダプタを挿してしまう、といったミスが無いとは限りません。そのためD1のダイオードを仕込んでいます。※考え過ぎかもしれませんが、電源周りゆえに念を入れました。 配線図 電源部と制御部の基板。発振器バージョンは参考として掲載。 ボタンは前面2個か背面2個か、どちらかだけでよいです。操作性重視で4個付けても構いません。 トランジスタアレイの配線は、前面側は見た目を考慮して基板ウラで配線します。UEWでよいです。 背面側の線には7セグのコモン電流が流れます。電流の大きさを考慮してETFE線(ラッピングワイヤ)にします。 表示部の基板。2層でプリント基板を作るとしたらどうなるか、というお試しを兼ねた配線図です。 実際の製作ではUEWでグイグイ一筆書き配線しました。 この表示部の配線では、時計のコロンは7セグのDPを使って「88.88.88」表示となります。別途、LEDを4個用意して「88:88:88」表示で作ることもできます。「AVR ATtiny2313 7セグ4桁ボード応用デジタル時計 〜バリエーション編〜」のページ一番下に出ている回路図を参考にして下さい。ただしその場合、どの桁のDPも点灯しなくなるので、カレンダー表示中など時計以外の状態のとき、分かりにくい表示となります。 |
制御ソフト | ||||
USB-シリアル変換モジュールを通して7セグ時計と通信し、時刻合わせや各種設定を行います。
「日付と時刻」は自由にタイミングを見計らって「決定する」ボタンを押し、設定します。 「時間制、カレンダーの表記、表示効果、明るさ」は、操作するとリアルタイムで7セグ時計に反映されます。 |
7セグモジュールの作り方 | ||||||||||||
7セグモジュールの作り方を説明します。写真のものは試作品で、実際に7セグ時計で使用したものと細部が異なります。
空中配線ではなく基板を使う方法もあります。
基板で頑丈に作りたいが、7セグ・アレンジらしい光の漏れも楽しみたい、ということであれば1.27mmピッチのユニバーサル基板を使うとよいかもしれません。※写真の基板は一般的な2.54mmピッチ。 |
7セグモジュールの発光テスト | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【参考】 7セグの発光色 どれも直接目で見ると鮮やかで綺麗なのですが、ケータイカメラだと全く見た目通りに撮影できません(P705i)。 もちろん実物はどれも白っぽくなく、名前通りのきちんとした色で見えます。
【後日追記】こだわることでもないのですが、別のケータイカメラで撮影してみました(W51CA)。
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部品について |
2011/10 ファームウェアとPCアプリを公開しました。このページの最後にあります。 USB-シリアル変換モジュールには秋月電子のFT232RLモジュール(TTLレベル)を使います。このモジュールのドライバはFTDI社(FT232RLのメーカー)のサイトで無償公開されています。事前にPCにインストールしておきます。 制御用のPCアプリはモジュールが何であるかは意識しないので(単なるCOMポートとして見えるだけ)、FTDI社ではなくProlific社のモジュールでも、ケーブル状のものでも構いません。PCにCOMポート(もっと言えばRxDとTxD)が増設できれば何でもよいです。ただしTTLレベルのものにしてください。 電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ/EDLC)はELNA社の1F/5.5Vのものを使いました。容量はこれ以上でも以下でも構いませんが、耐圧は必ず5V以上(5.5V品)とします。 本機のバックアップ機能は短時間の停電や電源の差し替え時に時計動作を保つことが目的です。電源なしで長時間動作させるためのものではありません。 抵抗R9はEDLC充電時の電流制限抵抗です。充電電圧が5Vならば数Ω〜10Ω程度でよいです。 電解コンデンサC1は電源平滑化のために付けます。また、これがないとEDLC放電中の状態から電源機器へ切り替えるときに、マイコンがリセットすることがあります。※残量による。電流がマイコンへ行く前に充電に回るため。 容量は数百uF、耐圧は10V以上で適当に。あまり太いと隣接するEDLCとぶつかるので大きさ選びに注意。背が高いものは倒してハンダ付けするとよいでしょう。 ダイオードD1,D2はショットキバリアダイオード(SBD)です。ここには電圧降下が低いダイオードが必要です。 部品一覧では例として1S3を挙げましたが、数百mA流せるものなら他のSBDでもよいです。 トランジスタアレイはシンクドライバを使います。東芝TD62003(7回路)を前提として設計しています。8回路のTD62083でも構いません。いずれにしろ、これに合わせて7セグはカソードコモンにします。 7セグの色や大きさは好みで選んでください。※個人的には秋月電子の朱色1個60円/10個500円がお勧め。(2011/07現在) 抵抗R1〜R8は7セグの電流制限抵抗です。使用する7セグの順方向電圧(VF)と電源電圧5V(正確には4.7Vとなる)から、好みの明るさになるよう計算してください。なお、本機には明るさ調節機能があるので、あまりこだわって抵抗値を決める必要はありません。部品一覧では、仮に VF=2.0V の7セグに10mA流すものとして220Ωを挙げています。 外部発信源が発振器ではなく振動子である理由、16MHzである理由は記事に書きました。そちらを読んでください。 基板と各種コネクタは好みの外観になるよう、自由に決めて構いません。部品一覧では今回の製作で使用したものを挙げています。 ピンヘッダ/ピンソケットは長いものを切って使います。ピンソケットは切り代として1ピン分の幅を考慮してください。 7セグモジュールに被せたアクリルパイプは 外径20mm/厚さ2mm/長さ300mm 東急ハンズで472円。(2011/07現在) |
部品名 | 部品番号 | 値 | 個数 | 参考価格/備考 |
AVR(マイコン) | U1 | ATmega88 | 1 | 88Pが180円(秋月電子) |
トランジスタアレイ | U2 | TD62003AFG | 1 | 2個100円(秋月電子) |
電気二重層コンデンサ | EDLC | 1F/5.5V | 1 | 170円(秋月電子) |
電解コンデンサ | C1 | 220uF/25V | 1 | 20円 |
積層セラミックコンデンサ | C2,C3 | 0.1uF [104] | 2 | 10個100円 |
積層セラミックコンデンサ | C4,C5 | 22pF | 2 | 10個100円 |
抵抗 | R1-R8 | 220Ω [赤赤茶金] | 6 | 1個5円/100個100円 |
抵抗 | R9 | 10Ω [茶黒黒金] | 1 | 1個5円/100個100円 |
ショットキバリアダイオード | D1,D2 | 1S3 | 2 | 1個30円/10個200円(秋月電子) |
7セグ | LED1-LED6 | カソードコモン | 6 | 1個100円など |
クリスタル振動子 | XTAL | 16MHz | 1 | 10個500円(秋月電子) |
タクトスイッチ | SW1,SW2 | -- | 2 | 1個10円 |
電源コネクタ | DCJ | -- | 1 | 4個100円(秋月電子) |
好みで適当に | ||||
ピンヘッダ | CN1 | 1x4 | 1 | 電源/通信線の接続用 |
ピンソケット | CN2 | 2x8 | 1 | 制御部側/足長タイプ |
ピンヘッダ | CN3 | 2x8 | 1 | 表示部側 |
ピンヘッダ | -- | 2x5 L字型 | 6 | 7セグモジュール(モジュール側) |
ピンソケット | -- | 2x5 ロープロファイル型 | 6 | 7セグモジュール(表示部側) |
スペーサ | -- | 14mmなど | 4 | 長さは部品の背の高さによる |
基板 | -- | 140x40mm | 2 | 片面基板 1個150円(秋月電子) |
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7セグはパッパッと光らせるだけでなく、独自の面白い表現ができます。 フェードを掛ければ柔らかさや暖かさを表現することができるし、 セグメントの点灯パターンで作者のオリジナリティを発揮することもできます。 大きさや色が選べることも7セグの魅力です。 よく見る7セグ時計でも外観のこだわりで意外な姿に見せることができます。 工夫とアイデア次第で、ありふれたものが個性あふれるものに変わります。 ※ちょっと上手いこと言いました。 |
7セグ6桁時計 ファームウェア+制御アプリ ダウンロード → seg7clock.zip |
zipファイルの中身 7セグ6桁時計AVR設定.txt …AVRのヒューズ設定の説明など。[TAB=4]で見てください。 atmega88seg7clock.hex …ファームウェア。※ソースファイルは非公開。 SSeg6ClockCtrl.exe …制御アプリ。.NET Framework 3.5/SP1。※ソースファイルは非公開。 説明書 7セグ6桁時計 操作説明書 7セグ6桁時計 コントロールアプリ操作説明書 |
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