『昼夜逆転』工作室
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バーLEDクリスマスツリー #4.1 単色版

2014年12月
バーLEDクリスマスツリー #4」をもとに、単色の10バーLED仕様のツリーを作りました。 ツリー形シールを改良し、クオリティアップを図るとともに、作業の手間を削減しました。

新規作成した単色版

テスト基板 ツリー ツリー
ツリー ツリー
単色版の開発にあたり、「バーLEDクリスマスツリー #4」の基板を用いてテストボードを作りました。
プログラムはフルカラー版のものを流用し、いかに少ない改造で済ませるかという作り方をしています。 そうすることでハードウェア(基板上の配線パターン)の変更を最小限に抑えることができました。
「#4」との違いは、基板にキーホルダーの穴を空け、ケースに入れずともキーホルダーとして使えるようにしたことです。 「#4」の記事では薄いケースに収めるためにバーLEDの表裏を削るという、大変手間のかかる作業工程がありました。 今回はそこを割り切って、無加工・ケースなしでいこうと決めました。
スモークカラーのプレートをかぶせると発色がはっきりします。背面にプラ板か何かで電池ガードを付け、 上手くケースの代わりにできれば…という考えもありました。

参考
ツリー ツリー ツリー ツリー
単色版の基板に合わせ、フルカラー版の基板(「#4」の基板)にもキーホルダー用の穴を追加し、発注しました。

動作の様子/使用中の様子

ツリー ツリー 左端がフルカラー版、他4個が単色版(赤、黄、緑、青)。
緑は黄緑ではなく純緑です。黄緑では色の濃淡が上手く表現できませんでした。

ツリー ツリー
コの字に曲げたスモークプレートをかぶせ、背面にプラ板で電池ガードを付け、ビニール包装してみました。
これをつなげて飾ったところ… まるで干し柿のよう。

この状態で3日間(12/23昼~25夜)点灯させ続け、良好に動作しました。 その後は部屋に取り込み、結局100時間程度は連続点灯することが分かりました。

特製!ツリー形シール

ツリー シール ツリー
バーLEDに、ツリー形に光が透過するシールを貼り付けています。実は今回の工作で一番思案したのは、このシールをどう作るかでした。 「バーLEDクリスマスツリー #3」では白地普通紙+黒印刷のシールを作り、白い部分をカッターでくり抜いていました(参考写真)。 しかし綺麗にくり抜くのが難しく、手間もかかるので別の方法を検討しました。

案1
薄い紙にすればくり抜かなくても光が透過しやすいのでは。
…シール業者からサンプルを取り寄せて試したところ、紙が薄いと黒印刷の部分まで光が透けてしまいました。 白い部分も、透過した光は色がぼやけてしまいました。

案2
くり抜く手間をなくすため、ハーフカット(切り離し線)を入れてみては。
…シール業者を何社かあたったところ、すべて「図案が小さくて加工できません」の回答でした。 長さ3mm未満の線はカットできないとのこと。また、鋭角が多いことも不利でした(星、台形)。

案3
普通紙ではなく透明シール+黒印刷にしてみては。
…よいアイデアだと思ったのですが、サンプルで試したところ、黒い部分はあっさり光が透けてしまいました。
この透明シールは、まず白インクで図案のシルエットを印刷し、それに重ねて図案が印刷してあります。 貼り付ける先が段ボールや茶封筒のような色付きの場所でも、図案の色が影響されないようにするためです。 残念ながら、光までは遮ってくれませんでした。

案4
透明シール+箔で決定。
…検討を重ね、たどり着いたのがこの方法です。1枚の中に透過部分と遮光部分が同居するハイブリッドなシール。 サンプルを取り寄せて試したところ、期待通りの透過&遮光でした。上記写真・中、黄色い台紙のものがそれです。
箔というのはインクによる印刷ではありません。シールに銀色や金色のシートを重ね、図案の形をした型を押し当て、熱転写する方法です。 インクによる印刷とは違い、箔押しの場合は金型を作らなければなりません。案外高価でした。

回路図とパターン

フルカラー版
回路図 パターン
 (KiCad)


単色版
回路図 パターン
 (KiCad)
LEDのVfが低いほど電池が早くなくなります。 青や純緑(Vf=約3.0v)に対して赤や黄(Vf=約2.0v)の電流制限抵抗(R1)を大きくすると点灯時間が揃いそうです。 青・純緑:R1=100Ωとしたら、黄:120Ω、赤:150Ω、辺りでしょう。
ちなみにR1=100Ωで、赤は連続点灯100時間程度で電池がなくなりました。 青・純緑は、輝度は落ちてきましたが十分な色味で点灯しています。 黄は青・純緑より輝度が落ちてきていて、そろそろ電池が無くなりそうな気配です。

部品について

マイコンはATtiny2313Aを使用、1MHzで動作しています。データシート上、1MHzなら1.8V以上あれば動作します。 無印のATtiny2313だと2.7V以上必要です。電池(3V)が減ってきてもなるべく動作させるにはATtiny2313Aの方が有利です。 とはいえ、電圧が低くなるにつれLEDの発色は悪くなっていくのですが。

◆ ◆ ◆

「バーLEDクリスマスツリー(#1)」のときから2年やってきて、毎回完成度が上がっています。 次回、進化するとすればケース周りでしょうか。3Dプリンタが気軽に使えるものになれば、それも解決しそうです。 将来のお楽しみにしておきましょう。


 
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