2014年12月
「バーLEDクリスマスツリー #4」をもとに、単色の10バーLED仕様のツリーを作りました。
ツリー形シールを改良し、クオリティアップを図るとともに、作業の手間を削減しました。
単色版の開発にあたり、「バーLEDクリスマスツリー #4」の基板を用いてテストボードを作りました。
プログラムはフルカラー版のものを流用し、いかに少ない改造で済ませるかという作り方をしています。
そうすることでハードウェア(基板上の配線パターン)の変更を最小限に抑えることができました。
「#4」との違いは、基板にキーホルダーの穴を空け、ケースに入れずともキーホルダーとして使えるようにしたことです。
「#4」の記事では薄いケースに収めるためにバーLEDの表裏を削るという、大変手間のかかる作業工程がありました。
今回はそこを割り切って、無加工・ケースなしでいこうと決めました。
スモークカラーのプレートをかぶせると発色がはっきりします。背面にプラ板か何かで電池ガードを付け、
上手くケースの代わりにできれば…という考えもありました。
バーLEDに、ツリー形に光が透過するシールを貼り付けています。実は今回の工作で一番思案したのは、このシールをどう作るかでした。
「バーLEDクリスマスツリー #3」では白地普通紙+黒印刷のシールを作り、白い部分をカッターでくり抜いていました(参考写真)。
しかし綺麗にくり抜くのが難しく、手間もかかるので別の方法を検討しました。
案1
薄い紙にすればくり抜かなくても光が透過しやすいのでは。
…シール業者からサンプルを取り寄せて試したところ、紙が薄いと黒印刷の部分まで光が透けてしまいました。
白い部分も、透過した光は色がぼやけてしまいました。
案2
くり抜く手間をなくすため、ハーフカット(切り離し線)を入れてみては。
…シール業者を何社かあたったところ、すべて「図案が小さくて加工できません」の回答でした。
長さ3mm未満の線はカットできないとのこと。また、鋭角が多いことも不利でした(星、台形)。
案3
普通紙ではなく透明シール+黒印刷にしてみては。
…よいアイデアだと思ったのですが、サンプルで試したところ、黒い部分はあっさり光が透けてしまいました。
この透明シールは、まず白インクで図案のシルエットを印刷し、それに重ねて図案が印刷してあります。
貼り付ける先が段ボールや茶封筒のような色付きの場所でも、図案の色が影響されないようにするためです。
残念ながら、光までは遮ってくれませんでした。
案4
透明シール+箔で決定。
…検討を重ね、たどり着いたのがこの方法です。1枚の中に透過部分と遮光部分が同居するハイブリッドなシール。
サンプルを取り寄せて試したところ、期待通りの透過&遮光でした。上記写真・中、黄色い台紙のものがそれです。
箔というのはインクによる印刷ではありません。シールに銀色や金色のシートを重ね、図案の形をした型を押し当て、熱転写する方法です。
インクによる印刷とは違い、箔押しの場合は金型を作らなければなりません。案外高価でした。
マイコンはATtiny2313Aを使用、1MHzで動作しています。データシート上、1MHzなら1.8V以上あれば動作します。 無印のATtiny2313だと2.7V以上必要です。電池(3V)が減ってきてもなるべく動作させるにはATtiny2313Aの方が有利です。 とはいえ、電圧が低くなるにつれLEDの発色は悪くなっていくのですが。
「バーLEDクリスマスツリー(#1)」のときから2年やってきて、毎回完成度が上がっています。 次回、進化するとすればケース周りでしょうか。3Dプリンタが気軽に使えるものになれば、それも解決しそうです。 将来のお楽しみにしておきましょう。