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バーLEDクリスマスツリー #3 プリント基板製作に挑戦

2013年6月
バーLEDクリスマスツリー」「バーLEDクリスマスツリー #2」に続く第3弾。
基板CAD、プリント基板発注、シール発注と、初挑戦ばかりの製作になりました。


基板設計/発注
初めてプリント基板を作りました。基板CADにはトランジスタ技術2013年5月号(CQ出版)の付録、「KiCAD」を使いました。5月16日、FusionPCBに発注。27日にホンコンの郵便局を出て、30日に東京着。2週間です。


基板は10枚注文して12枚入っていました。全部検査マークあり。裏面にシルクでオーダー番号が書き加えられています(FusionPCBへ発注するとそうなる)。素人目にはランド/パッドのズレや不良は見あたりません。シルク/レジストの文字も綺麗に出ています。


ただ回路図をプリント基板に起こすだけでなく、やってみたいことがあったので盛り込みました。
  • ショートパッド… ハンダを盛ってショートさせるパッド。1回きりのジャンパーピンのような使い方。
  • ねじ穴… ネジ穴を開けたかった。とても良く設計された基板のように見える。
  • レジストで文字を書く… シルクではなくレジストで。ウラ面にネジの大きさ「M3」を書いてみた。
  • 外部配線用のパッドを追加する… 被服線をハンダ付けするためのパッドを入れたかった(VCC/GND)。
  • 隙間にパスコン… リード品の積層セラコンをICソケットの隙間に配置できるようにしたかった。
この工作はもともとユニバーサル基板で作ったものです。それとほぼ同サイズにカットして作れるようにしました。
電源線(USBケーブル)は、上記VCC/GNDのパッドにハンダ付けします。このために設けたパッドです。
ユニバーサル基板で作ったもの それをプリント基板にしたもの

失敗/修正
部品をハンダ付けして完成。スズメッキ線での配線が無用で本当に簡単。
そして動作テスト。…点灯しない!? こんな単純な回路で何をミスったのかと調べた結果、重大なミスが。
←こういうものを作っているつもりで…
←図面はこうなっていた。
USBコネクタのオス/メスが逆でした。端子内容は部品にひもづけられているため、オス/メスを取り違えると基板上では端子(5V/D-/D+/GND)の並び順が逆になってしまいます。
5V/GND端子の接続先を入れ替える改造をしなければなりません。D+/D-端子は未使用なので影響なし。

パターンカットして修正。それにしても、まさか外部電源用のパッドをこんな形で使うことになるとは。
なお、30x30mmで基板をカットして作る場合、USBコネクタは関係ないのでこのミスも関係ありません。
→→→
修正

図面を修正しました。いくつか改良も含めました。基板の角を丸めました。USBコネクタを支えるため、基板を数ミリ伸ばしました。ICの外形線が実際の部品の大きさと合うよう書き直しました。VCC/GNDのパッドを大きくしました。
今回発注した基板(ver 1.00) 修正した基板(ver 2.00)

改めて動作確認
無事に点灯しました。

点灯方向の反転に対応
使い方によってはUSBコネクタが上になるようにしたいこともあります。その目的で基板ウラ面に点灯方向反転用のショートパッドを設けてあります(ATtiny2313のPA0ピンの位置)。
このパッドをショートさせると、右の写真のように基板が逆さでもLEDの点灯方向は元と同じになります。

ツリーの形は手塗りからシールへ改良
ユニバーサル基板で作ったとき、ツリーの形は自分で塗りました。その方法で2個以上作る気はしません。そこで今回、張り切ってシール業者に発注しました。
白い部分(ツリーの図形)をデザインナイフでくりぬき、黒い部分をバーLEDに貼ります。工作用カッター(通常の文房具)だと刃先がカタカタ揺れて細部が上手にカットできません。
完成品。
カメラの感度が良くてLEDの形が透けて見えますが、肉眼ではほとんど透けて見えません。期待通りの見え方になっています。
通常のシール用紙+黒インクで光の透過を防げるか、透過防止用のシール用紙にした方がよいか、迷いましたが前者で大丈夫でした。

部品について
部品一覧は「バーLEDクリスマスツリー」の通りです。それにUSBコネクタ(Aオス)が追加されます。
パスコンはリード品/チップ品両対応です。どちらか1つ実装すればよいです。ここではチップ品を使いました。


◆ ◆ ◆
まさかと思うような失敗オチも付いて良い経験になりました。
最終的には期待通りのものが作れました。


(C) 『昼夜逆転』工作室 [トップページへ戻る]